おでんの具として、焼きサンマの脇役として、味噌汁の具として、さまざまな場面で使われ親しまれている大根ですが、薬膳の世界から見ると嬉しい効能がたくさん含まれていることがわかります。
大根の薬膳効能
漢方の世界でも扱われる機会の多い大根ですが、日本でも古くから食べられている野菜であり、「すずしろ」という呼び名で春の七草のひとつとしても数えられています。
消化作用が高いことは有名ですが、実は冷え性や花粉症の軽減、便秘の改善に役立つ効果もあります。
二日酔いやストレス、肩こりにも効果があり、頭痛や更年期障害といった女性に嬉しい効果も期待できるのです。
「気逆」を治すことにも効果があるため、咳や痰を緩和したり、吐き気を止める作用もあります。
根菜類には「体を温める効果がある」とも言われていますが、大根のみは特別で、薬膳の世界では体を冷やす作用があることがわかっています。
ニキビや肌荒れにも効果があり、美容作用もあります。
アルツハイマーや認知症への改善効果も期待でき、他にも難聴や眼精疲労に作用するので、高齢の方にぜひ食べさせてあげたい食材なのです。
抜け毛やうつ症状にも効果があるので、ストレスを強く感じている方にも最適といえます。
胃腸が弱い方には大根おろしが消化の手助けとなりますが、その作用がある「ジアスターゼ」と呼ばれる消化酵素は加熱に弱いため、生で食べることが基本です。
胃酸が多く熱っぽい場合や、胃が痛む場合にも大根おろしが効果的であり、大根おろしを食べるか絞り汁を飲むと最適です。
「切り干し大根」などのごく一般的な料理は、視点を変えれば効果効能満載のれっきとした薬膳料理です。
体に溜まった脂などの代謝に効果を発揮するため、特に代謝が落ちてくる秋や冬に最適なメニューです。
大根は特に薬膳効果の高い食材であるため、実は普段から薬膳料理を食べていた、とも言えるのです。
食事のメニューに取り入れる以外にも、大根をお茶として飲む方法があります。
「第一大根湯」と呼ばれる民間療法があり、風邪による38度以上の高熱や寒気、発汗などに効果のある薬膳茶です。
大根おろしとほんの少しのショウガおろしを番茶に加え、飲みやすいように醤油で味を整えます。
布団を被ってお茶を飲んで汗をかけば、解熱作用や寒気の症状を緩和させることができるのです。
かいた汗は拭き取り、そのままぐっすり寝てしまえば風邪の治りも早くなるので、薬は飲みたくないという場合など試してみましょう。
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